期待のはるか上でした

以前、最近の欧州経済危機が分かりやすく書かれている本ない?と父親に聞いて、そんなもんない、と答えられた経緯があった。
http://d.hatena.ne.jp/shun_t/20120114/p1

しかーし諦めきれず、丸善にていい本ないかなと歩き回っているうちに見つけた?本。

池上彰の「ニュース、そこからですか!?」 (文春新書 850)

池上彰の「ニュース、そこからですか!?」 (文春新書 850)


見つけた、というにはあまりにも著者が有名すぎて、な感じですけれど。
そのTVへの露出の多さのせいで、逆にこの方の本を購入して読むっていうのは、なんかミーハーな心象があったんですよねー。
でも、週刊こどもニュースでの分かりやすい解説を思い出し、あれくらいニュースを捕らえやすくかみくだいてくれているのなら、ためになりそうと買ってみました。


読んでみて・・・の感想は。
予想以上に分かりやすく面白いです。
なんというか、読んでいるときの心地よさ具合が、雑学・トリビア系の本を読んでいるときのものと重なります。
たとえば・・・
 ・クレジット・デフォルト・スワップとかいう訳のわからんデリバティブ商品がなんとなく分かった気になる。
 ・シーア派が派派なのはそこそこ有名な話ですが、イランみたいなイスラム国家は大統領よりも、イスラム法に詳しい宗教指導者の方が最高指導者としてもっと偉いらしい。
 ・日本の原子力発電所はトイレのないマンション。使用済み燃料の処理方法は確立されていると勝手に思い込まされているけれど、実際は超見切り発車。最終処分場の場所すら未確定。
 ・イギリスには「緊急時の科学助言グループ」がいる。グループが首相に助言し、その内容と議論の内容はきっちり公開される。実際に助言どおりにするかどうかは政治判断、ただし理由は国民に公表される。このシステムいいなぁ。「1番でなく2番ではダメなんですか」とかいう弩級にバカで空っぽで上っ面な議論が減るんじゃなかろうか。
 ・「政府は、理科系の専門家のアドバイスを受けた上で、それを文科系の人が理解し、安心するような表現に”翻訳”することが必要なのです」もう、ほんっとうにその通りだと思います。自分のかゆいところにものすごく手が届く一文!日本の政治家・政府にはそれが歯がゆいくらいできない。


前半は・・・自身がかなり疲労困ぱい・偏頭痛・耳鳴りなときに読んだので、面白いと思いつつ読みながらも若干記憶が薄く・・・それを素直に残念と思える本でした。
とはいえ、上記内容はたまたまピックアップしただけで、頁毎に世間に詳しくなれるのは保証します。


もういっそこの方、第三者機関的に、官房長官会見のとき横で説明しててくれませんかね・・・。手話通訳の方じゃないですけど。かたよった解説がある訳でもないですし。
さらっと読めますし、新聞読む前に読みたい本でした。