年の瀬の読書

持て余した時間を有効活用したいものです。
DSのレイトン先生箱をやるというテもありますが、それはそれで何かむなしい。


で、何しようかなぁと。
そういえばここんとこ、電車での移動時間みたいなものがあまりないので、買っておいた本が全く消費できていなかったのよね。
さらに読んでた本、少し分厚めだったので、気長に読もうと思ってたら余計に億劫になってたのよね。
てことで、この際一気に読んでしまおうと思ったのがこちら。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

ぶらぶらとどっかの本屋・・・とカバーからすると三洋堂を歩いていたときに、なんとなく買った本ですね。
別に数学の専門家じゃないし、具体的な中身が理解できるつもりで買ったわけではありませんが・・・。*1
そもそもかなり恥ずかしながら、現在、フェルマーの最終定理が証明されているのかどうかも知らなかったのよね。証明されたと聞いたこともあったし、間違いがあったと聞いたこともあって、真偽のほどが。


この本のすばらしいところは、特に専門知識を持っていなくても、証明の流れがなんとな〜く分かるところだと思います。
複雑な定理を、非常に分かりやすく言い換えてくれているからですかね。
例えば、第一不完全性定理

すべての\omega-無矛盾で帰納的な論理式の集合\kappaについて、Gen(v,r)Neg(Gen(v,r))Flg(\kappa)に属していない機能的な単項述語記号rが存在する(vrの自由変数である)。

一般人で、この文の意味が「ははぁ〜ん」と分かった人はウソップです。
これが、次のような命題に言い換えられています。

公理的集合論が無矛盾ならば、証明することも反証することもできない定理が存在する。

まぁ、多少は分かりやすくなったような。さらに本には説明が書き加えられていて、「私はウソツキだ!」ということを証明できない、ってことらしい。確かに、確かめようとしても延々と自己矛盾するので、証明も反証も意味がない。


そんな感じの分かりやすい説明で、フェルマーの最終定理が証明されるに至るまでの物語が、感動的に綴られている訳です。
が、そんでも理系の数学寄りの人でないと、読み流さないといけない部分はあるかもしれないなぁ。


えーっと、ではいつものなるほどうポインツ。
・「時計って、12と60を法にした算術だよね。」・・・そういえばそうじゃん!!あまりに普段ナチュラルに計算しすぎてて気づかんかった!
・フライの理論
フェルマーの最終定理が×→フライの異常な楕円方程式*2が存在→異常すぎて、最大級の対称性を持つモジュラー形式ではありえない→谷山=志村予想より全ての楕円方程式はモジュラーなので、矛盾。
逆に、谷山=志村予想が成り立つなら、フェルマーの最終定理は成り立つ。
・地図の塗り分け4色問題の証明は、コンピュータでなされた。この審査は、同じプログラムをほかのコンピュータに読み込ませ、同じ結果が出ることでなされた。
こんな力技、エレガントでも何でもないよなぁ・・・。
フェルマーが「私はこの命題の真に驚くべき証明を発見した!」の記述はよく言われるが、本当に証明を持ってたんかいな・・・?


てとこです。

*1:これでも理論物理周りの本を読んでたので、相当レベルの数学の自分にとっての手に負えなさは理解しているんす。群論の本見ても抽象的過ぎて何がなんだか。講義受けたら多少分かるんかなぁ・・・?

*2:A^N+B^N=C^Ny^2=x^3+(A^N-B^N)x^2-A^NB^Nの楕円方程式に変形できるらしい