リアル・ディアドクター

先週から、とある映画無料券が解禁になったので、早速何か見てみる気になりました。
う〜ん、この時期やってる映画で面白そうなのはなんだろう?と悩むこと少し。
もう、おくりびとなんてやってなさそうだしなぁ。この際、何年か前に読み終えた天使と悪魔の映画化とやらでも見てみるかぁ?
・・・と、ちょうど時期を同じくしてきらきらアフロを見ると、なんかディアドクターSPですと。若干の興味を覚えたところで、7/4見に行ってきました。


行ったのは伏見ミリオン座。
12:55の回を狙ったものの、のど自慢の見すぎで遅刻・・・。道中、やたらと若い男の子らの組・グループが映画館に向かっていたので若干不思議でしたが、そういやエヴァの映画もやってる!と気づいた時点で納得しました。
映画館に着いて、時間の表を見てみると・・・12:55までの回は全て満席御礼だそうな。大人気なんだなぁ。ここは次の回でチケット取って、2時間ほど待ちぼうけしました。*1


以下感想などなど、軽いネタバレあり。










んー、個人的な感想ですねぇ。
大雑把に言うと、この話をグッと理解できる人は大人かと。
ストーリー的には超盛り上がるような場面がある訳でなく、田舎の日常に溶け込んでいる伊野先生の働きを、ユーモアを交えつつちょこっと盛り上げつつで、全体的には非常に淡々としていたもので。
映画を見てる前半のときは、もしやこの伊野先生、若い研修医をわざと田舎にこさせて、地元の人らと結びつきを作らせ、留まらせる→その後自分だけ失踪するという、いわば各地の田舎救済をして回っているから失踪したのでは!?とかなり勝手な妄想をしていました。
大ハズレだったな、オレよ。ガンの人追っかけて、最後にまた出てきやがった・・・。


で、やや隠し気味なネタポイントながら、きらきらアフロでは言ってしまっていた「田舎の偽医者」であるというコトについて。
こんな感じの映画を見てきたよー、と母親に内容を伝えたところ・・・なんか、特に意外でも何でもないようなリアクションを受けました。
なんつーか、免許がないのに診療所を開いている偽医者、ごく普通に母親の田舎にいたそうです。もう、4、50年は前の話ではありますが・・・わざわざ映画見てきた自分の立場は一体。萎えるなぁ。
母親の実家=鳥取のど山奥には、S木先生という方(かなりのお年だったそうな)がいらっしゃって、その集落辺の人たちの面倒を見てくれていたそうです。
免許もないのになんで医療行為ができたの?(治療ができたの?)という疑問の答えとしては、なんか過去にちゃんとしたお医者さんの下で勉強してたからだそうです。
免許もないのになんで医療行為ができたの?(捕まらなかったの?)という疑問の答えとしては・・・まぁ、田舎ってそういうもんらしかったそうです。そんな、数十人程度の集落に、滅多にお医者さんなんて来てくれませんわね・・・ただでさえ不便なのに、儲からないところへ。
ちなみに、そのS木先生が長年医療行為をしていた中、あるとき、きちんと医者の免許を取った方が開業したこともあったそうです。勿論、恩義も忘れてだんだんと人は、ちゃんとした免許の医者がいいということで、そちらの先生へと移っていってしまいました。
ところが・・・ただでさえ数十人程度しかいない集落なのに患者を分け合ってしまった結果、S木先生が生活できなくなりそうなくらい患者数が減ってしまったそうです。
それを知ってかS木先生に敬意を表してか、新しい先生はそのうち米子へ移動したそうな。結局、S木先生はその後も医療行為を続けたとか。
う〜ん。それで良かったのだろうか・・・?


田舎の医療ということでは現在も通じる所があるわけで、難しい問題ですわね。
そういう意味では、ノンフィクションな映画です。

*1:http://d.hatena.ne.jp/shun_t/20090708/p1にある、p164まで立ち読み事件である。