タイムリーネタ

結構前から読み始めて、5月までには読み終えるだろうーとたかをくくってこの有様。
やっと今日読み終えましたよ、半分寝ながら。

激論!「裁判員」問題 (朝日新書)

激論!「裁判員」問題 (朝日新書)

鉄は熱いうちに打て、とは言いますが、話題に上っているタイミングで読まないと、いつまでも知識がないままになりそうなので。


朝日新聞出版がまとめているものなので、かなり期待通りの内容でした。
裁判員制度を始めるにあたって、制度に肯定的な方と否定的な方の議論をまとめたような内容です。傍聴記のような茶化したような内容はなく、いたって真面目です。



であ、なるほどうポインツ。
・今の日本の刑事裁判において、有罪率は98%超えと高すぎるらしい。アメリカの陪審員制度だと33%は無罪になるらしい。検事が優秀だからなのだ、で納得するにも、個人的には高すぎる気はする。(無罪判決が出ると、検察が激しくマスコミに叩かれる。だから起訴には慎重で、裁判官は有罪の前提で出発し、弁護側の無罪が証明できない限りは無罪判決が出ないのが現実ではある。)
・日本裁判の事実認定は「間接事実による主要事実の認定」。某カレー事件も、これで認定されていましたっけ?最終的にはどうだっけ?
・司法制度改革審議会の意見書には、「誤判・冤罪を減らすために裁判員制度をやる」とはまったく言ってないらしい。「司法の国民的基盤を確立するため」。陪審ファンにたたき上げられた感があり、十分議論はなされてないように思える。
裁判員制度で裁かれるか裁判官のみで裁かれるかの選択はできないらしい。ただし、憲法上は選択性にしても問題ない。
・裁判官には、メディアなどから入ってくる情報による先入観を排除して裁判をスタートする「予断排除の原則」がある。しかし、最近の厳罰化の傾向は、メディアの影響なしでは考えにくい。
・現在、否認事件で10回も開廷するなど丁寧に審理されているようにも見えるが、実際は1時間ずつ飛びとびに審理しているだけで、もっとコンパクトにできるはず、らしい。
裁判員制度憲法で定められている「意に反する苦役」かどうかは議論の余地がある。
・上司に、裁判員やるから休暇くれと伝えるのは、裁判員法101条の裁判員であることを公にする事項関連には反しないだろう、という旨の、審議院の発言があったらしい。
裁判員制度がとられるのは一審だけ。控訴するとそれは高裁に行くが、それは裁判官のみの審理。逆転をすることが可能になってしまい、裁判員での審理の意義が問われてしまうがいいのか?


こんなところかなぁ。
あ、ちなみに、今のところ私は裁判員には選ばれていませんので悪しからず。