ロスジェネと非ロスジェネの狭間人

また時間かかったもんだなぁ・・・本一冊読み終えるのに2ヶ月かかるとか、ありえなーい。
今回の読了はこちら。

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自分は、こういうロストジェネレーションとか就職氷河期とかいうものに、ギリギリひっかかった世代なんだと思います。
実はこの本を買った動機は、不遇といわれる我々世代の現状の厳しさを再認識するため、その情報集めのために読むつもりでした。
ところがどっこい蓋を開けてみると。就職氷河期とかその現状とかは、どっちかというと修飾語扱い。メインの話は、その世代の政治に対する意識変革と、小泉衆院・安部参院ポスト麻生衆院選挙が、どの世代にどれだけ影響を受けていた(受けそう)かの分析、という感じです。
目次とかあとがきとか、もっとしっかり読んでから買え、って感じですね。


とはいえ、ほとんど自分が知らなかった世界の発見があって驚きでした。
確かに、2世3世議員以外の人って、どこから議員への道を開いていくんだろう?と疑問に思ったことはありました。この本には、その回答のうちいくつかが書かれていました。若い地方自治体議員への道を推進する団体とかあるとか、それが統一地方選での若手立候補増加に影響を与えていたとか、初耳でした。
この本自体にも書いてあることですが、読んでみると、いわゆる地盤・看板・鞄を持たない人の成功モデルがなんとなく見えてきて、「あ、こういう感じなんだ。やろうと思えば自分でもできそうじゃん」という敷居の下がった気持ちにさせてくれます。そういう意味では、「議員入門編」の勉強にもなりえます。


てことで、いつものなるほどポインツ(読むのに時間かかったので、終わりの方ばっかですが)
・ねじれ国会よりも前という意味で「以前の」自民優勢集票システムは、特に地方で顕著だった。*1この、地方型集票システムを、非常にすばらしく端的に表現している部分がありましたので、引用。

農村や漁村では農協や漁協が中心となって自民候補を支援し、組織票を取りまとめる。商工会の中小企業や建設会社は、社員を
通じて投票を呼びかける。見返りとして期待されるのは農業や漁業の補助金、中小企業対策や公共工事だ。
国政選挙ともなれば、自民党系の地方議員がフル稼働する。(略)それなのに、自民党にとっては悪夢のような敗北が、知事選
、参院選と立て続けにおこった。

・今の50代以上の政治家は、若い有権者を基本的には信頼していないらしい。そりゃ、気まぐれな票を集めに走るより、確実に大量集票できる、上記組織票システムの方がありがたいにきまっている・・・だが。今後はその若い世代をうまく取り込んでゆかなければ、自民の優勢は立ち行かない。
・2世、3世の当選システムは、2世になったからといって支持層が丸々若くなるということはありえず、そのうち崩壊するのは目に見えている。
とりあえずこんなとこでしょうか。


このBlogを書き始めたときは、結構政治ネタも書いていましたが、長いこと書いてないですね。
いや、書く価値もなくなったというか。小泉以来、自民党がおぼれそうになりながらアップアップしている状態の何を書けというのか。
思えば、小泉政権の頃は、ノせられてアツく書いたこともありましたね。大局的な意味で小泉劇場に取り込まれていたのかもね。いや、そうではなかったと信じたい。
ともかく今も昔も変わっていない私の考えは、なんでもいいからとにかく、自民は一度政権から手を離せと、そういうことです。

*1:いつの選挙だったか忘れたけど、都市部では野党が優勢になってきているのに、地方では相変わらず自民ばっかで無力感を感じまくった記憶がある。祖母のいる某ド田舎県とかね。