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こいつを読み終えました。買ったのいつだよ・・・っていう。
オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (ちくま学芸文庫)
- 作者: 吉田武
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/11
- メディア: 文庫
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読み終えた、という言い方が正しいかは微妙。一字一句文字を追えば、読んだことに値する、てな内容じゃない。
を学ぶ、って書いてあることから予想できますとおり、数学の本です。
文庫本でかつ数学みたいな理系の本、というと、ブルーバックスみたいな、文系の方や初学者でも容易に理解可能なように書いてある本を想像しがちです。
しかぁし、この本は甘くない!
完全に読み解ければ、理工系の大学1年生程度で普通に使う、必要な基礎事項程度は、身につけられただろう、という内容。
終わりに書いてあるように、これは「数学書」。バリバリに数式まるけの本ですので、お間違いなさらぬよう。
516ページあるうち、本編は308ページ。残りはAppendix。
全てはを説明するため。
数論から始まり、方程式の解法、微積分、指数・対数・三角関数、テーラー展開、複素数論。
フーリエ級数を理解するためのベクトル・行列の基礎事項。
これらの基礎事項を総なめし、かつ自己完結するよう、効率の良いルートで解説してあります。
ちなみに、ところどころに用意されている問題には、最後に解説が容易されているので親切です。
Appendixには、各章の内容に関連した、興味深い事項や発展事項が記述されています。理系分野好きなら、大抵どっかで聞いた事がある事項が書いてありますが、時折マニアックな内容もある気がします。
学問の園から離れて3年目。
懐かしいなぁとか思って読み進みつつ、結構覚えている事項も多いので、途中眠くなりつつでした。
考えてみると、数学ってのは本当に積み重ねの勉学なんだなぁって気づかされます。
微積一つ取っても、法則性を記憶してしまえば簡単な例題は解けるかもしれませんが、本質を理解していないと全く応用が利かない。後が続かない。数学において、実力をつける、ってのはそういうことなんでしょう。
確かに、社会に出て、これらの事項が役に立つ職業なんてのは限られてきます。
いってみれば、社会で仕事をするうえで、必要な能力ベクトルの基底に、数学が含まれることは稀な訳です。
そうは分かっていても、数学が発する魅力っていうのは美しく、魅力的で、知っていて損はしない、面白いものです。
ちょっと昔勉強した、数学の復習をしてみたいなーって方にはお勧めです。
公式集としては、若干物足りないかもしれませんが、解説つきの公式集としてなら、載っている分の公式に関してはとても有用だと思います。
中高生の副読本としては、どうなんだろう・・・?数学マニアな子じゃないと、読み解けないんじゃないだろーか。