このテーマはこの本までにしとこうかな

先月はまた、超過勤務が激しかったので、ついに丸二ヶ月、何も書かない事態となりました。何この職場。
そして何となく続けて読んだ3冊目。

同じテーマで読んだ一冊目が、淡々と科学的に分かりやすくまとめた良い本だったので、その後の本の中に「私の身内の誰々が患ってしまって・・・」とか、「誰々という非常にすばらしく親身になってかけつけてくれるお医者様がいて・・・」という内容がくどくどと書かれていると、どうにも胡散臭さを感じてしまいます。書くならさらっと書いてくれる程度で良いと思うのに、長々書かれると・・・感情に訴えて、本を売ろうとか勧めたい療法を宣伝したいだけなのではと勘ぐってしまいます。


実はこの本も、始めはそんなような内容が多かったのですが、後の方でなるほどと思える内容がありましたので、いつもようになるほどうポイントを列挙します。
抗がん剤によるがん治療の基本的な考えは、「毒を持って毒を制する」。要は「人体が絶えられる程度まで、多くの抗がん剤を投与する」ということ。
・様々な抗がん剤の組み合わせを、効果を確認しながら使用していくと、ある程度のところで効果のあるものがなくなってしまい、もう治療できる抗がん剤がありません、という段階になってしまう。すると、抗がん剤の副作用以外では元気に動ける患者さんは、どこへ行ったら良いか分からず、「がん難民」が発生する。
重粒子線治療放射線治療は根本的に原理が違う。前者はイオン化した炭素原子などを使う。後者は波長の短い電磁波*1を使い、水と酸素に電化を与えてフリーラジカルを作り、がんの細胞分裂を阻害する。
・陽子線治療は、重粒子線治療より低価格でできるが、重粒子の代わりに陽子を使うので(?)荷電が小さく破壊力が小さい。
・がん治療の専門医、というだけでは、治療の分野が多岐に渡る以上専門の範囲は狭くなり、自分の専門以外の治療の知識が十分でなくなる。逆に自分の専門の良いところを強調したくなる。


うーん、ガンがテーマの本が色々ありすぎるというのは、一番最後の点が大きいのですかね。
横断的に各々のテーマを解説してくれる本は、どこかにないものか・・・探すのは大変そうですな。

*1:γ線のこと?