新聞社か報道社か

自分の場合読書の場というと、電車での移動中に読む事が多いのですが、アパートに生活の主体が移ってからというものの、乗車時間が非常に少なくなってしまいました。会社への地下鉄の待ち時間+乗車時間なんて、15分あれば御の字ですからね。
そんな言い訳もあって、本を読む時間が極端に少なくなってしまい、読み終えるペースも恐ろしく落ちています。アパートにいるときはアパートにいるときで、読書占有の時間は滅多に取りませんし・・・。


さて、そんな情報弱者が読み終えた本はこちら。

新聞は生き残れるか (岩波新書)

新聞は生き残れるか (岩波新書)

情報を得る際、時系列的な制限のない優良な一覧性を持つ媒体を使った報道者として中心的な役割を果たしてきた新聞社。取材・収集・選択・編集・整理制作・版製作・印刷・配達の一連の流れの中で、皆様ご存知の通りその後半部分・媒体に関する部分で革新が起こっている訳です。
勿論新聞というのは報道のためにある訳で、基本的にその後半部分というのは道具・裏方でした。一般的に新聞社との議論というと、前半部分と読者の間でのやりとりを言う訳で、その表立つところが新聞の販売部数にも影響するという意味で大きな役割=力を持っています。この状態が何十年も続けば、会社の経営者に当たる人たちの占有率もその前半の方々が支配的になるのはごく自然なことでしょう。後半部分の仕組みは基本的に何も変えずとも、どっかとその上に確かな報道さえ乗せれば、渡した紙(広告も含む)から安定した収入が得られていた訳です。
ところが昨今その後半部分、情報媒体に当たるところで技術的な変化・社会的にも影響を与えるような変化がありました。
できるだけ素早く報道を伝達する手段として形成しておいた後半部分をはるかに凌駕するスピードで情報を伝達させ、基本的に無料が前提で情報提供が成り立っている電子的インフラ。
まさかそんな新技術の媒体が、爆発的なスピードで広がるとは予想していなかった、前半部分出身の方々はびっくりデス。未だにその扱いをお手玉し続け、将来への採算が取れる経営的見通しを立てることができていません。


で、こちらの本。新聞は生き残れるか。それを語るのに、電子インフラの話題、200ページ中約40ページ。
今までGoogleの広告がどーだヤフーがどーだという関連の本を読んできた自分にとって、この割合は結構斬新で意外。上記で言う前半部分の話題に関連して、メディアスクラムがどうだったやら報道姿勢がどうだったやらの反省しきり、調査結果・統計データを頻繁に持ち出して社会生活や社会意識がどう変化しただ、そのせいで新聞が読者からだんだん嫌悪感を抱くようになってきただという話。さすがにそれらの話題についてはきっちり課題をまとめあげ、今後の報道が持つべき心構えを示しておられる。
しかし電子インフラに関する中身といえば。
・紙からウェブへ、ウェブから紙へ、自由にサーフィンできる仕組みを作ればいいのだ。
(なんて稚拙な。QRでも貼るってのか。そんなめんどくさいこと誰がするか・・・。ウェブからウェブへ、が当然だろう。そしてそれで十分だろう。)
・インターネットがツールにすぎないことをつい忘れてしまうことだ。だれかがそこに情報をインプットしないかぎり、インターネットはただの箱にすぎない。
(いやいやいや。どこか一社さえ情報をインプットしさえすれば、その情報が一挙に無料で出回るから問題なんじゃないか)
・ネットでざっとニュースをチェックし、関心のあるものは新聞でじっくり読む。
(ヤフトピでざっとニュースをチェックし、関心のあるものはトピック下のリンクか、ググる、だろう)
・(携帯端末の話題で)現段階ではADSLが大幅に伸びていることもあって、FTTHは当初見込まれていたほど普及してはいない。
(例えば朝5時に配信するとして、ADSLで朝7時にも持ち出せないほどでかい紙面データ送る気か?既存のメタル線の有用性を知って欲しい。)
・紙で読めるものを、なぜわざわざ面倒な装置にかけなければならないのか、という伝統派h(略
(ポケットに入る端末で運べるものを、なぜわざわざガッサリとした紙にかけなければならないのか。あなたとお話の合う同世代限定の話ですよね?)
・標準のレターサイズより少し小さめで、横21センチ、縦27センチ、厚さ2センチあまり、重さ1.35キログラム。画面は鮮明でカラーの具合もよく、バスルームでも読める最初の電子新聞だそうだ。
(標準のレターサイズって何?カラーの具合もよく?提供された情報を深めないまま書いてますよね。「だそうだ」がその逃げか)
なんともはや。元大手記者のうちの親父もことIT関連には疎いが、新聞社の編集上がり経営者も大差ないだろう。こういった守備範囲外の話は「後半部分担当者」の専門家に任せときゃいいのに、聞きゃしない。大手ほどその縦割りはひどかろう。
新聞にからめようという努力は認めるが・・・。


報道部分から媒体制作部分を分社化(子会社化)する考えも各社あるそうですが(してるとこもあるけど)、人材次第では媒体制作部分の方が儲かるかもしれんね。分社化された印刷部門然り。有力無料紙とか地元にあれば儲かりそう?


んー。
まぁこういう方々は、ブログの匿名文章なんかお気にもかけないでしょうけどね。



そうだ、ついでに書いておこう。
産経のiPhone APP、ついにヤフトピで取り上げられてしまったから知名度がグンと上がるでしょうね。
ネットの世界は、一番初めにシェアとったとこが強い、っていうジンクスがさんざん繰り返されてきたのに、産経以外はなにやってんでしょーかね!
ちなみにワタシは、iPod touchが日本国内で発売された瞬間からやれ、やれ、と主張してたんですがねぇ(苦笑)