今更感はあるけれど

これまたいつものように、購入自体は相当前。半年くらい前になるんじゃないかな。
今度は科学モノの本に移ってみよう、ということで買ってみた本。

新しい太陽系―新書で入門 (新潮新書)

新しい太陽系―新書で入門 (新潮新書)

2006年に冥王星が定義として、「惑星」から外されてしまったのは有名なことです。
本書の筆者は国際天文学連合にて、きちんとこの「惑星」の定義を決める委員会に参加された方です。


内容としては、太陽及び太陽系惑星を重点的に視点を当て、順番にその特徴を解説してゆく形です。
・・・という内容の形式だけ書くと、まるで教科書的な面白みのない内容かと推察されてしまいそうですが、そんなことはありません。
各惑星に対する説明は非常に分かりやすくて読みやすく、特徴が詳らかに述べられています。
ただそれだけなのに、なんで読んでてこんなに面白いのか。筆者の、天体に対する愛情、のようなものを感じます。
また、添付されている写真も非常にきれいで、本文と合わせて閲覧すると吉・もしくは大吉です。
今、天体を勉強している人にも、昔、天体に興味があった人にも、おすすめできる本です。


てことで、なるほど、もしくはなるほどそうだっけ、と思ったこと。
海王星は、発見したルヴェリエによって、Neptuneでなく「ルヴェリエ」と命名したいと主張されていた。
・月の表側は、月の裏側に比べてやや重い。結果的に、月は表側を地球に向ける形の公転で安定した。
・さそり座の1等星で有名なアンタレス。これは「アンチ・マース」からきたもので、火星に敵対するもの、という意味らしい。火星(軍神アレスより、マース)のそばを時々通過するから。へぇ。
・恒星は、連星の方が多いらしい。むしろ、太陽のような単独星は珍しいらしい。
木星の衛星・イオの表面では、火山活動が活発らしい。原因は木星潮汐力で、形が歪んだ結果、摩擦熱で熱エネルギーがたまるため。正にイオ(ドラクエ的な意味で)。
土星の環の厚みは、薄いところで5〜20m。厚いところで数百m。天文単位で考えると、異常に薄いな!超意外!!
土星の衛星・タイタンの環境は、メタンの三重点(液相・気相・固相が同時に発生できうる点)にあるらしい。(地球は水の三重点
木星海王星の環が安定しているのは、衛星の重力作用がある。衛星が見張っているような感じになっているので、これを羊飼い衛星というらしい。
・2006年まで、惑星の定義はなく、なんとなく漠然と決めていた。
てとこです。


う〜む・・・。
しっかし、金星や土星の表面の大きめな写真見てると、なんでか背筋ゾッとするなー。
巨大建造物を見た時の感覚に似ているけど、自然的な模様がより一層何か薄ら寒さを感じさせる。
ナショナル ジオグラフィックは好きなんだけど・・・ちょっと感覚的には謎。